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解決事例

売掛金に対して、債務者へ動産執行をかけて金250万円を回収した事例

事件の概要 ご依頼者は、ホストクラブに勤務するホストであり、債務者(客)に対する売掛債権を有し、債務者から任意で支払ってもらおうと自ら交渉をしていた。しかし、債務者からは「お金がないので支払えない。」の一点張りだったため、任意での交渉は断念し、訴訟手続を当事務所で受任した。訴訟手続を経て、ご依頼者の請求を認める判決(認容判決)を得た後、代理人弁護士を通して支払いを求めたが、着信拒否されるなど没交渉となり回収が難しい状況であった。ご依頼者からの情報によれば、債務者に目立った不動産や預貯金といった財産はなく、債務者の勤務先も不明であったが、債務者が所有しているであろうブランド物のバッグやアクセサリーが多数あるとのことであった。 ※プライバシー保護のため、内容の一部を加工しています。

動産執行により売掛金回収

250万円

弁護士の対応

債務者には不動産や預貯金がなく、勤務先も不明ということでしたが、ブランド物がある可能性が高いということで、債務者の持っている動産類が本当に債権全額の回収を図れるかは分かりませんでしたが、動産執行を行うことにしました。

執行当日、事前に打ち合わせをした執行官が債務者の自宅に向かい、債務者の所有している現金や貴重品、高価な品などを持ち帰り、後日売却が行われ、ご依頼者は売掛金債権300万円のうち、約250万円を回収することができました。

 

弁護士から一言

裁判で勝訴したとしても、その金額を回収できるかどうかは実務上非常に大きな問題です。

一般的に、差押えをするにあたっては、債務者所有の不動産、自動車などの動産、債務者名義の預貯金、債務者が勤める勤務先からの給与といったものがありますが、それぞれ別の裁判手続(第三者からの情報取得手続財産開示手続)を経て調査する必要があります。

しかし、債権回収はスピードが大事ですので、調査を経ていては時間がかかり、結果債権の満足な回収の機会を逸する可能性があります。

本件では、ご依頼者から、債務者には自宅にブランド品等の動産類が多数存する可能性が高いという情報がありましたので、探る意味でも動産執行の手続を採ることにし、最終的には満額まではいかなかったものの、債権額の大部分を回収することができました。

しかし、動産執行では差押えが禁止されている動産があります。そのため、実務上、動産執行の約9割もの手続が結果としては執行不能として空振りになるという統計上のデータがあります。本件はその意味でも非常にレアケースと言えますが、ただ債務者からすれば執行官がいきなり自宅に来て鍵を開けられ調査されますので、債務者に対して非常に強烈なインパクトと精神的なプレッシャーを与えることができます。動産執行は債権回収の最終手段ともいえる手続になり、弁護士費用との費用対効果の点でも赤字に終わるリスクも高い手続ではあります。債権回収でお困りの方はお気軽に当事務所までご相談ください。

 

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