未払いの慰謝料に対して、給料債権を差し押さえて金100万円を回収した事例
事件の概要 | ご依頼者は、相手方との間で不法行為に基づく損害賠償請求訴訟において勝訴判決を得ていた。その後、相手方の代理人弁護士を通して支払いを求めたところ、代理人弁護士から相手方との委任関係は終了しているので本人に直接連絡してほしいとの回答があった。 そこで、ご依頼者は直接相手方に支払いを求めたところ、「お金がない。」との一点張りで支払いはなされなかった。 そこで、相手方の勤務先は分かっているので、何とか給料から支払ってもらえないか、当事務所にご相談に至った。 ※プライバシー保護のため、内容の一部を加工しています。 |
---|
給与差押え
約100万円
弁護士の対応
給与債権に対する強制執行の準備を整え、勤務先からの給料を差し押さえたところ、差押えの事実を知った相手方から「すぐに全額支払うから差押えを解除してほしい。」と連絡があったため、来所の上、満額の100万円をその場で支払ってもらい、当該差押えを取下げ、本件は解決しました。
弁護士から一言
勘違いしている方も多いのですが、訴訟(いわゆる民事裁判)で勝訴判決を得ても、相手が支払ってくれるとは限りません。通常であれば敗訴者が任意に支払ってきますし、勿論支払ってもらえれば問題ないのですが、支払わないケースもままあります。
このような場合は、訴訟とは別の手続である強制執行等の執行手続を経なければ回収することはできません。
執行手続には、相手のどの財産を差押対象とするのかを検討する必要があり、今回の給与もあれば、不動産もありますし、預貯金を対象にすることもできます。
また一般的に、債権回収はスピードが求められます。
ただし、給料を差し押さえる場合には給料全額を債権に充てることはできず、給料の手取り額が44万円以下の場合は4分の1までしか差し押さえることはできません。
しかし、今回の相手方のように差し押さえれば、そこでようやく観念して、債権者又は債権者代理人に連絡をしてくることも良くありますので(債務者としては給料の4分の1が全額回収されるまで継続して差し押さえられれば気持ちは穏やかではないでしょう)、債権者としてはこれを機に満額の回収を図ることができます。
【関連記事】 👇こちらもあわせて読みたい |
♦ 給与を差し押さえたい!でも相手の勤務先が分からないとき |