職務質問を現に受けていて帰宅させてもらえない状態から身柄を解放した事例
留め置きからの解放
事案の概要
ご依頼者は、大きな駅付近を歩いていたところ、突然私服警官3名に囲まれ、所持品検査を要求された。
所持品検査について、最初は警察に対して明確に拒否するとの意思表示を行っていたが、警察からはしつこく何回も中身を見せるよう言われ続けていた。その後の予定があったことと、薬物など禁制品の所持もしていなかったことから、途中でご依頼者の方が折れて所持品検査については任意で応じることとし、バッグの中身やポケットの中身の開披等、警察の要求にすべて応じたが、違法な物や禁制品は何も出てこなかった。
そこで留め置きから解放されると思いきや、警察は「次は尿を出してください」と尿検査を要求してきたため、ご依頼者はまだ帰れないのかと怒り、警察を無視してタクシーに乗ってその場を去ろうとしたものの、警察が道を塞いだりして妨害してきたために身動きが取れない状況であった。
その段階で当職に電話相談が来ました。
※プライバシー保護のため、内容の一部を加工しています。
対応と結果
ご依頼者から当職に電話が来て、経緯を伺いましたが、ご依頼者の意向としては「尿検査をしても何も出てこないので本当は応じても良いが、所持品検査に応じれば帰れるようなことを言いながら尿検査までさせようとしてきた警察の根性が気に入らないから絶対に応じたくない。」とのことでした。
そこで当職から警察と直接話してみるから電話を代わってくれと頼みましたが、警察は「弁護士かどうか分からない者とは話は出来ない」とのことで電話対応を拒否してきました。
そこで、当職が現場に急行することとし、タクシーで現場に直行しました。
当職到着時にもまだ留め置きがされていましたので、まず尿検査を行いたい理由を尋ねたところ、「言動から一応検査したいと思っています。」という抽象的な回答であり、強制採尿のための捜索差押許可状等の令状の有無を確認したところ「令状はありません。」との回答があったため、携帯電話で録画していることを警察に告げつつ、「それであれば任意であるから今ここで明確に任意捜査には協力しないことを明言する」として、ご依頼者を連れてタクシーに乗車し、その場を去りました。
当職としては警察がパトカーでタクシーを追ってきて、その間に令状を請求してくることを想定しており、その場合の対策も念頭に置いていましたが、そもそも追跡してくる様子がなかったため、そのまま別の場所へ移動し、留め置きから無事解放することが出来ました。