交際関係にあった女性から開業資金名目で多額の金銭を騙し取られた事案で、詐欺罪の刑事告訴が受理された事例
事件の概要及び罪名 | ご依頼者は、共通の趣味で知り合った女性と交際関係にまで発展した。交際当初は順調だったものの、交際期間を経るにつれて、女性から開業資金としてお金を貸してくれないかと言われた。ご依頼者は、交際当初から女性から開業したい話を聞いていたので、女性を応援したい気持ちから複数回にわたって合計約1000万円の資金を提供した。しかし、実際は開業の話は虚偽で、交際相手はそのお金でホストクラブやブランド品購入などに充てていたことが発覚した。そのため、詐欺罪で刑事告訴できないか当事務所での相談に至った。 ※プライバシー保護のため、内容の一部を加工しています。 |
---|---|
結果 |
|
弁護士の対応
ご依頼者が相談時に持参いただいた証拠類(やり取りなど)から、詐欺罪の構成要件を慎重に検討しました。
特に、犯人の内心に関する箇所(女性が金銭を要求した当初から、返済するつもりがないのに、あるかのように装った)は立証の面からも重要でした。
やり取りの中から、こうした女性の内心が表現されているやり取りを中心に検討していくことで、詐欺罪での刑事告訴は可能であると判断し、速やかに刑事告訴の準備に取り掛かりました。
告訴状には、警察が本件内容を理解しやすいよう、証拠を引用しながら、女性のこうした発言が虚偽であって、当初から告訴人(ご依頼者)を騙す意図があった旨の主張をできるだけわかりやすく記載しました。
結果、告訴状を提出しに警察署に行ったその日に告訴は受理されました。
弁護士から一言
一般的に詐欺罪の立証は難しいと言われています。
加害者の内心は加害者にしかわからないため、被害者は加害者が当初から騙す意図があったことを証拠に基づいて立証していかなければなりません。その際の最たる証拠は、SNSのやり取りなど、客観的証拠です。ただ、詐欺師は言葉を巧みに扱い、騙す意図がある気配すら被害者に感じさせないので、被害者が気付いた時には手遅れとなるケースが実際多いです。
そのため、被害者は少しでも怪しいと思ったら(今回の事例のように、名目はどうであれ、交際の段階で多額の金銭を要求するなど)、できるだけ多くの証拠を確保しておくことが望ましいです。そして、早めに弁護士に相談することをお勧めします。