CASES

解決事例

担保取消決定を経て、担保金300万円の還付を受けた事例

事件の概要 ご依頼者は、詐欺被害に遭い、仮差押決定により、第三債務者である銀行口座を仮に差し押さえたものの、第三債務者から残高不足又は相殺により弁済できない陳述を受けた。このまま訴訟に至ったとしても債務者から債権回収を図ることができないと考え、依頼者としては、仮差押えの際に担保金として納付した300万円を還付してほしいとの意向であった。 ※プライバシー保護のため、内容の一部を加工しています。

担保金還付

弁護士の対応

本ケースは実質的な詐欺被害に遭ってから、迅速な仮差押手続に着手したものの、残念ながら奏功しなかったケースです。

担保金の還付を受けるべく、裁判所に対し、担保取消決定の申立てをすることにしました。

取消事由に関しては、権利行使催告(民事訴訟法79条3項)であったため、申立てから決定を受けるまで1ヶ月余かかりましたが、裁判所からの決定書と担保原因消滅証明書をもって、法務局にて担保金が無事に還付されました。

 

弁護士から一言

保全命令を受ける場合、多くの場合、担保金が必要となります。

しかし、その担保金は手続が終われば、本ケースのように取り戻すことができます。

担保金額はケースバイケースですが、担保金の性質が債務者に不当に損害を与えてしまった場合の賠償金であって、暫定的な債務者の財産処分を制限する必要性(仮差押え)と債務者を保護する必要性からなるものですので、これら必要性がなくなれば担保金は当然に還付されます

ただし、還付を受けるためには、まずは裁判所で決定を受けてからになり、かつ民事訴訟法が規定する事由によっては本ケースのように1か月以上かかることもあれば、本ケースとは違って訴訟に至る場合は担保金の還付を受けるまで1年以上かかることもあります。

 

 【関連記事】 👇こちらもあわせて読みたい
♦ 担保取消しから取戻しの手続について弁護士が解説

♦ 仮差押えの流れ~供託金は必要なのか?空振りになる可能性は?

♦ 債権回収のための仮差押え

 

解決事例一覧