CASES

解決事例

美人局による不当要求行為に徹底的に対抗し、解決した事例

タイミング
  • 被害直後
事件の概要及び罪名 事案の概要 ご依頼者は、マッチングアプリで知り合った女性と会い、その後ホテルに向かった。お互い同意の上で、性行為をしたところ、突然部屋に男性が入ってきて、「同意なく無理やりやられたのだから、今なら示談金200万円で済ませてやる。もし警察や弁護士を呼べば、倍にした額での示談でないと応じない。どうする?」と言い、ご依頼者に警察を呼ぶことを断念させ、ご依頼者にその場で200万円の分割支払いに関する合意書を締結させた。さらに、男性は、ご依頼者の免許証を撮影したり、職場情報や自宅の電話番号まで聞き出した。ご依頼者は、不同意性交等罪で逮捕されるおそれも含め男性とのトラブルについてもどうしたらよいかわからず、当事務所に相談に至った。 ※プライバシー保護のため、内容の一部を加工しています。
結果
  • 不当要求排除

弁護士の対応

本件では、次の2つについて対応が求められる事案でした。

まず、ご依頼者に対する逮捕の可能性です。ご依頼者とその女性との間で、性行為に関する同意があったかなかったかは、密室の出来事なので、誰も知る由もありませんが、ご依頼者が不同意性交等罪で逮捕される可能性はありました。

そこで、当職がご依頼者の弁護人に就任した旨を即座に管轄の警察署に届け出ました。同時に、警察とアポを取った上で当職が警察署に赴き、担当捜査官と面談を行い、上申書や証拠類を提出するとともに、

ご依頼者が置かれている状況や男性から美人局被害を受けた可能性があることも相談し、仮に今後その女性から被害届が提出された際には在宅事件として取り扱っていただくよう上申しました。

結果的に、その女性からは被害届などは提出されませんでした。

先ほどの対応の中で、管轄警察署に相談した際、ご依頼者が美人局被害に遭った可能性もあり、それについて恐喝罪(刑法249条)や場合によっては名誉毀損罪(刑法230条)にて当該男性を刑事告訴する可能性についても言及いたしました。応対した警察署員も事の顛末を聞いた上で、こちらに協力する姿勢を示してくれました。

これら事情の下、当弁護士はその男性に対し、内容証明郵便にて、ご依頼者にその場に書かせた合意書は強迫(民法96条1項)により取り消す旨の意思表示を行い、また男性の言動はご依頼者に対する恐喝等にあたることを言及した上で、刑事告訴を検討していることを通知しました。

その後何度か当弁護士は男性と電話で交渉を重ね、その度に徹底的に通知した内容を告げ、男性の請求には応じませんでした。その後、当弁護士またはご依頼者に対する請求や連絡が途絶えたため、本件は逮捕されることもなく無事に解決し、ご依頼者も元の平穏な生活に戻ることができています。

 

弁護士から一言

美人局では、マッチングアプリやデリヘルなどでよく耳にしますが、要求内容によっては本件のように恐喝罪に当たる可能性があるのも少なくありません

美人局被害に遭った際には、その場で警察を呼ぶことが一番ですが、実際にはなかなか難しいでしょう。

今回のケースのように、不同意性交等に問われる可能性がある場合でも、弁護士同伴の下、警察に詳細な事情を説明することで、不当要求行為について一気に解決できることもあります。美人局被害に遭った際は、お早めに警察または弁護士に相談することをお勧めします。

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