高級外車の売買代金名目で、3000万円を騙し取られた事例につき詐欺罪等での刑事告訴が受理された事例
事件の概要及び罪名 | ご依頼者は、知人から、希少性の高い高級外車を購入しないかという話を持ち掛けれた。ご依頼者は、実際に当該車を見に行ったり、登録名義人の変更手続などについて、問い合わせるなどして、ご依頼者なりに慎重に検討した結果、相手方を仲介人として、当該自動車を購入することに決め、売買代金として3000万円を相手方に支払った。ところが、相手方から「買主と連絡がつかない」等と度重なる言い訳をされ引き伸ばしをされるのみであり、一向に、話が進まず、かつ相手方とも音信不通になりつつあることに不審に感じたご依頼者は、支払った3000万円を取り戻すべく、法的措置に関して当事務所に相談に至った。 ※プライバシー保護のため、内容の一部を加工しています。 |
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結果 |
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弁護士の対応
まず、相手方本人と直接話をし、問い詰めたのですが、相手方は詐欺だとは認めない一方で不合理な言い訳を繰り返すのみであり、交渉では埒が明かないと判断。例えば、事前に当弁護士の方で運輸局から自動車検査証を取り寄せて、登録名義人(会社名)を知っており、その代表者名も調査していたのですが、当弁護士が相手方に当該自動車の登録名義会社の代表者を尋ねたところ、全く別の名前が出てくるといった有様でした。その他諸般の事情に鑑み、改めてご依頼者には詐欺被害に遭ったと判断して間違いないことを伝えた上で、今後の法的措置として考えられる方策をお伝えしました。
まず、①ご依頼者が振り込んだ相手方名義の口座に仮差押えをかける。ただし、すでに引き出されていて3000万円全額の可能性はほぼ見込めないリスクがある、次に、②相手方を詐欺罪にて刑事告訴をし、相手方に刑事責任を負わせる。ただし、刑事であるので、仮に相手方が逮捕されたとしても3000万円を取り戻せるわけではない。
これらのことをご説明した上で、ご依頼者としては①②両方の意向をお持ちでしたので、迅速に両手続を同時並行的に着手しました。
特に、②に関しては告訴状と証拠を揃え、数日後には警察に提出しに行きました。案の定、警察からはコピーをとられた上で、検討するとの対応を採られました。その後、半年ほど経過しても、検討結果の連絡がなかったため、当弁護士から問い合わせたところ、告訴状受理に消極的な姿勢を見せたため、受理義務があること、場合によっては苦情申入れをすることもやむを得ないことを伝えた上で、即時受理を強く働きかけたところ、正式受理となりました。
弁護士から一言
警察との面談で初回に即日受理されるのが一番良いのですが、警察の対応としては、よくある不誠実な対応で、予想していた通りでした。
本来であれば、刑事訴訟法上、捜査機関には受理義務があるため受理しなければならない告訴状を、本件のような対応をされるのは決して少なくありません。
ここで粘り強く働きかけると共に、警察が受理を行わざるを得ない状況を作れるかは、告訴人(または告訴人代理人)次第でしょう。
当事務所には、これまで刑事告訴の案件を数多くご依頼いただき、遠方の警察に対する刑事告訴、公安委員会等への苦情申入れ、などさまざまなケースを扱ってきた実績がございます。
刑事告訴でお悩みの方はお早めに当事務所までご相談ください。正式受理に至るまで、サポート致します。