急増するSNS詐欺被害での刑事告訴について解説
SNS詐欺とは
近年SNSが普及していることに伴い、SNSを利用した詐欺が急増しています。その手口は巧妙化しており、20代であっても詐欺被害に遭ったとの相談をよく受けます。
今回は、急増するSNS詐欺について、詐欺被害に遭ったときの対処法や刑事告訴におけるポイントなどをご紹介します。 |
SNSは、気軽に人とつながることができ、情報を収集することができますが、その反面、誤った情報を掴まされたり、詐欺師と気づかずにコンタクトをとってしまう危険性もあります。
SNS詐欺とは、こうしたSNSの利便性を活用した詐欺であり、高齢者のみならず若い世代でもその被害が報告されています。
有名人や芸能人を語った詐欺
ここ最近では、有名人や芸能人の写真を無断で使用し、「必ず儲かる」、「あの有名人が紹介する優良株はこれだ!」などと有名人や芸能人になりすました偽の広告を使ったSNSでの投資詐欺が急増しています。
あるいはAIで芸能人の声や顔を模倣したものを作り、ビデオ通話を通じて実際に芸能人が返答しているかのように見せかける方法もあります。
こうしたSNS上の広告を見た消費者が広告をクリックするとLINEなどのアカウントに誘導され、投資を持ち掛けられ、口座に振り込みをしてしまうのが典型的です。
有名人の写真を無断で使用し、巧みに金銭を騙し取る手口は悪質といえます。
有名人の中には、その広告は詐欺ですなどの注意喚起を行っている方もいらっしゃるので、安易にクリックしないようにしましょう。
ロマンス詐欺
SNS詐欺の中には、マッチングアプリを利用した詐欺もあります。ロマンス詐欺と言われますが、出会い系サイトやマッチングアプリなどのSNSを通じて知り合い、恋愛感情を抱かせながら、様々な名目で金銭を騙し取る詐欺です。
被害者が送金した後に、突然連絡が途絶え、詐欺被害に遭ったとその時に気付くことが多いです。
犯人が海外におり、海外送金や仮想通貨による送金を要求されるようなケースもあり、そのような国際ロマンス詐欺では警察も弁護士も犯人を特定したり逮捕したりすることは非常に困難であるのが現状です。
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詐欺被害に遭った時の対処法
SNS詐欺に限らず、多くの詐欺事件の被害に遭った時に共通して言えることですが、早ければ少しでも怪しいと思ったとき、遅くても詐欺被害に遭ったと気付いた瞬間から、できる限り多くの証拠を収集することを心掛けてください。
具体的にどういった証拠を集めれば良いのかですが、SNS詐欺の場合は、SNSでのやり取り(メッセージ履歴)、詐欺師のアカウント情報、通帳など送金記録がわかる資料、送金先に関する口座情報といったものが挙げられます。
同時に、すぐに警察及び銀行に連絡し、振込先口座を凍結してもらってください。犯人は通常、振込後すぐに現金を他の口座へ振込したり引き出したりしてしまいますが、それまでに口座凍結を行えれば被害金を回収できる可能性が高くなります。
SNS詐欺被害に遭った時は警察や弁護士に相談を
こうした証拠は多ければ多いほど良いので、詐欺被害に遭い、警察に相談、被害届や刑事告訴の提出をする際は大変有力になります。
簡単に説明すると、被害届は被害があったことを申告するだけである一方、告訴は犯人に対する処罰の意思表示も含まれます。そのため、犯人に対して刑事責任を問いたい場合は、刑事告訴を検討してください。
刑事告訴は弁護士に相談を
刑事告訴をする際には弁護士に相談することをお勧めします。
そもそも前提として、警察は、告訴が行われたときはこれを受理しなければならない義務を負っているので、受理しないという選択はできないはずなのです。
しかし、証拠が足りないなど何かと理由を付けて受理しようとしない警察がいるのも事実です。
こうした煩わしい警察とのやり取りをしていては、余計に時間がかかってしまい、犯人に対する刑事責任を問うことが難しくなっていきます。
そこで、刑事告訴を弁護士に相談・依頼することで、こうした精神的負担などを軽減することができますし、警察とのやり取りも一任することができます。
当事務所ではこれまで詐欺事件のみならず、多くの刑事事件で刑事告訴を受理させた実績があります。詐欺事件は特に立件が難しい事件と言われ、具体的にどのような証拠が必要になるかはケースバイケースです。
SNS詐欺を始め詐欺事件で被害に遭われ、刑事告訴を検討したいとお考えの方は、お気軽に当事務所までご相談ください。
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