発信者情報開示請求で開示されたら発信者に連絡は来る?
プロバイダからの意見照会書
まず、一般的な流れですが、発信者情報開示請求者が任意または裁判手続で発信者の氏名や住所を特定しようと発信者情報開示請求を行います。
その後、請求を受けたプロバイダは契約者でもある発信者に対して、「発信者情報開示請求に係る意見照会書」を送付して、開示の同意、不同意についての発信者の意見照会をして、意向を確認します。
意見照会書が届いた発信者は、同意するか、不同意(開示拒否)にするかを一定の期間内(通常、二週間以内)に回答する必要があります(無視はあり得ませんし、期間内に回答しなければプロバイダによっては開示に同意したものとみなされる場合があります。)。
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発信者情報開示請求で開示されたら連絡は来るのか?
では、プロバイダからの意見照会書に同意または開示拒否と回答した後、プロバイダから、被害者に開示したという旨の連絡は来るのでしょうか。
任意開示の場合
多くのプロバイダは、発信者からの回答内容を踏まえて、開示するかどうかを判断します。
そして、プロバイダの方で任意での開示が妥当などと判断された場合、発信者情報開示請求者に開示されるわけですが、その際に発信者に連絡が来るかと言えば、結論として、プロバイダによります。
任意開示の場合、プロバイダからの連絡は法律上の義務ではないからです。
裁判手続の場合
次に、請求者が裁判手続によって発信者情報の開示を求め、裁判所からプロバイダに対し発信者情報開示の命令があった場合、「不同意」と意見を述べた発信者に対しては、プロバイダは発信者に対し、その旨を連絡しなければならないとされています(プロバイダ責任制限法6条第2項)。
つまり、意見照会書に対して「不同意」で返答した場合は、プロバイダから、発信者の情報を請求者に開示したという連絡がきます。
その後の手続選択について(損害賠償請求なのか刑事告訴なのか)は請求者に委ねられます。
まとめ
今回は、発信者情報開示請求で開示されたら連絡が来るのか、についてご紹介しました。
意見照会書が届き、期間内に回答した後、自分の情報が開示されたかどうかご不安な方もいらっしゃると思います。
裁判所や弁護士などから訴状や内容証明郵便が届いた場合には、発信者の情報がプロバイダ又は裁判所によって開示された、ということになります。訴状などが届く時期については、ケースバイケースです。ケースによっては、発信者情報開示請求に係る意見照会書に対する回答をしてから1年以上経過してから届いた場合もあります。
従いまして、ご自身(発信者)の情報を開示されないためにも、意見照会書に対する回答は適切に行うべきです。
ただし、意見照会書に対してどのように回答するかの判断は専門的で難しいところがありますので、できるのであれば、意見照会書が届いた時点で、お早めに弁護士に相談することをお勧めします。
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