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刑事告訴のよくある質問

はじめに

これまで当事務所では、ホームページ上で、刑事告訴に関するコラムを多数掲載しており、その中で多くの相談者から刑事告訴に関する様々なご質問を受けてきました。

 

 

刑事告訴は自分でもできますか。

勿論です。ただし、注意が必要なのは、捜査機関がすんなりと告訴状を受理するとは限りません。また告訴状を作成するにあたっては、犯罪が成立する要件(これを「構成要件」といいます。)の全てに言及し該当する事実に言及し、証拠についても適切なものを選択する必要があります(告訴状の要式を満たしていない場合には受理を断る理由を捜査機関に与えることにもなります)。

 

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自分は直接的な被害者ではないのですが、刑事告訴をすることができますか。

被害者ではないということで属性にもよりますが、刑事告訴は、被害者の法定代理人や被害者が死亡した場合の配偶者、直系親族などに認められます。これに当てはまらない方からは、告訴ではなく刑事告発という手続になります。

 

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自分で刑事告訴をしようと警察に行きましたが、受理してくれませんでした。

こうしたご相談は本当によく寄せられます。

警察が刑事告訴を受理しない主な理由は、警察は刑事告訴を受理した場合の処理手続が膨大となってマンパワーが追い付かない点や、受理しても不起訴が見込まれる案件だと検察から警察に対して「こんな事件を送致してくるな。」と警察自身が検察官から注意されるので、受理したくないという点にあります。

つまり、警察は刑事告訴を受理した場合、事件の捜査を開始し、捜査を尽くした上で捜査した記録などを検察官に送致して(ニュースなどでは「書類送検」と言われるものです。)、被告訴人(犯人)に最終的に起訴したのか、不起訴にしたのかを告訴人に通知する義務を負います。

そのため、刑事告訴すべてを受理していたら人数に限りある警察官にとっては大変な作業になりますので、捜査しても最終的に不起訴になる事件や証拠がほとんどない事件までは受理していられないという捜査機関側の事情があります。

しかし、警察は、告訴が行われたときは受理しなければいけない義務を負っているため(犯罪捜査規範63条)、軽微な事件であっても受理しないという選択は本来はできません。

 

 

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刑事告訴に必要な証拠はありますか?

被告訴人(加害者)が罪を犯したことを証明することが必要ですが、これについては、ケースバイケースなので、絶対的にこれが必要という証拠はありません。個別具体的に必要な証拠は判断されますし、事件によって異なりますので一概には言えません。

例えば、インターネット上の掲示板における誹謗中傷であれば、投稿内容が映ったスクリーンショットが絶対に必要になります。一方で、お金を相手が指定する口座に振り込んでしまったというような詐欺罪であれば、その口座情報や加害者とやり取りをしたSNSのメッセージになるでしょう。

 

証拠がない場合はどうすれば良いですか。

一般的に刑事告訴をする場合は証拠が必要といわれます。警察からもそう言われます。

しかし、多くの犯罪の場合、時間的な流れとともに犯罪被害に遭うことがありますので、証拠がないような場合は時系列をまとめたものだけでも告訴状と併せて提出すると事件の内容がわかりやすく伝わりやすいでしょう。その他、被害者自身や目撃者、関係者などの陳述書を作成することも有効です。

 

弁護士に依頼した場合、受理されるまで、どれくらいかかりますか。

ケースバイケースによりますので、一概にお伝えすることはできません。当事務所で過去に受任したケースで言いますと、1ヶ月程度で受理されたケースもあれば、大変複雑な事件ですと1年近くを要したケースもあります。

 

加害者の氏名住所などは不明なのですが、刑事告訴することはできますか。

刑事告訴は、犯罪行為を特定して犯人の処罰を求める意思表示であり、犯人に着目して行う手続ではありません。

したがいまして、犯人を具体的に特定できず、被告訴人不詳のままであっても、犯罪事実が特定できていれば刑事告訴することはできます。

 

刑事告訴をしましたが、不起訴処分となってしまった場合、何か手立てはありますか。

このような場合、告訴人は、検察審査会に対して、不起訴処分の当否を審査するよう申し立てることができます。

この他にも、検察官は公務員ですので、該当する事情があれば、公務員職権濫用の罪(刑法194条)などの一定の罪については、裁判所に事件を審判に付すことを請求することができます(刑事訴訟法262条)。

 

 

刑事告訴を弁護士に依頼する場合の費用はどれくらいですか。

事務所や弁護士によって異なりますので、相談時にお問い合わせください。

事案の難易度や複雑性によりますが、当事務所では、着手金44万円(税込)~、報酬金は捜査機関に正式に受理された場合44万円(税込)~となります。

 

まとめ

犯罪被害に遭われてしまった場合、どのように対応すればよいのか冷静に判断できないことが多いと思います。そのようなときは、お気軽に当事務所までご相談ください。

ご相談者の状況に応じて、まずは警察に相談するべき案件なのか、刑事告訴するにしてもどのような証拠が必要なのか、受理された場合に予想される刑事処分の結果や、弁護士に依頼した場合、費用倒れになるか、など包み隠さず丁寧にご説明致します。

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