留置場に、本、食べ物、衣類、現金は差し入れてもいいの?
大切な家族が逮捕されて、残された家族としては留置場にいる被疑者に何か差し入れできるものはないかと思われるでしょう。
被疑者に対する身柄拘束の最長期間は23日間ですので、留置場での生活の多くは、規則正しいスケジュールの下、取調べを受ける時間以外は、同部屋の人との雑談か、昼寝か、読書をしながら過ごすことになります。
このような留置場での生活は相当に退屈であり、基本的には皆時間を持て余し、時が過ぎるのをひたすら待っています。
そこで退屈だろうからと思っても、何でも差し入れできるわけではありません。
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本を差し入れることはできる?
基本的に小説、漫画、雑誌は差し入れができます。
留置場にもよりますが、1回3冊まで差し入れが可能である警察署が多数です。
ただし、ホチキスが付いている本は自殺や他害予防の観点からホチキスを外さなければ差し入れができません(その場で係の人がチェックして外すよう求められます。)。内容がわいせつなものである場合や中身にメッセージが書かれているような場合、クロスワードや問題集も差し入れができません。
食べ物を差し入れることはできる?
衛生上の観点から、食べ物を差し入れることはできません。
留置場の食事は、資格のある栄養士が定期的に栄養バランスをチェックしているそうですが、被疑者から美味しくない、足りないという感想をよく聞きます(支給分だけでは量が足りずに常に空腹感があるという話は本当に良く相談されます)。
そのようなときは自弁というシステムを利用することができます。
自弁とは、昼食のみですが、被疑者自らが自分でお金を払って別メニューの出前を購入することができます(自弁を注文しても通常支給分も出してもらえます)。
そのため、自弁のための現金(留置場によりますが1回3万円までで、2万円あれば十分でしょう。)を差し入れた方が被疑者に喜ばれます。
現金の差し入れは喜ばれる
自弁のシステムにより、残されたご家族が被疑者の食事を気に掛けておられるのであれば、食べ物よりも現金の方が十分喜ばれます。
衣類の差し入れはできる?
衣類についてはかなり細かく規制がかけられます。例えば、自殺防止の観点から、靴下はくるぶしサイズのものでなければならず、紐やベルト、ボタンがついているものは差し入れができません。またスウェットであってもパーカータイプのものやジッパータイプのものは差し入れができません。
下着に関しても、男性はボクサーパンツでもトランクスでもOKなところが多いですが、女性はゴムタイプのものしか差し入れができない留置場が多いです。
コンタクトレンズにしても、保存液タイプのものや洗浄液も差し入れができません。視力が悪い方には眼鏡を早めに差し入れてあげてください。
差し入れの定番は本と現金
差し入れできるものとできないものを簡単に挙げましたが、結局どれを差し入れれば良いのかわからない場合は、とりあえず季節に応じた衣類と厚めの本3冊、現金2万円を差し入れると良いでしょう。漫画や小説については、犯罪をしておいて家族に迷惑を掛けておきながら反省しろと思われるかもしれませんが、留置場の中は精神的に相当過酷な状況であり、漫画や小説などに没頭して精神上の健康を保つことも必要不可欠になってきます。
衣類などについては、留置先が古い警察署か新しい警察署かによっても冷暖房設備の整備状況が異なっており、新しい警察署であれば夏場で冷房が効きすぎてて寒いから長袖がほしいという方もおりますが、基本的には古い警察署が多いですし、留置場は夏は暑く、冬は寒い場合がほとんどですので、夏場であれば半袖半ズボン、冬場であればスウェットのような楽な服装が喜ばれます(逮捕から4日目以降の平日であればご家族も面会することができますので、直接聞いても良いと思います。)。
ただし、実際に差し入れできるかどうかは、物や留置場によりますので、事前に弁護人か警察の留置係の方に確認をした方が良いでしょう。