刑事告訴は難しい?受理される確率は?
目次

刑事告訴とは~被害届との違い
犯罪被害に遭った場合、警察に被害を訴えるためには刑事告訴の他に、被害届があります。
被害届は、単に警察などの捜査機関に対して「このような被害に遭いました」という被害事実を申告する届出あるのに対し、刑事告訴は届出のみならず「犯人を処罰して欲しい」という処罰を求める意思表示が含まれる点に違いがあり、被害届よりも強い効果を有しています。
また被害届又は刑事告訴を受理後の警察の対応にも違いがあります。
被害届は、受理後警察が捜査をするかしないかは警察によって判断されます。他方、刑事告訴は受理したら必ず捜査を開始しなければならず、捜査機関は事件処理の結果(起訴または不起訴)を告訴人に通知しなければならず(刑事訴訟法260条)、告訴人等から請求があった場合は、その理由を告知しなければなりません(刑事訴訟法261条)。
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刑事告訴の受理はなぜ難しい/ハードルが高いと言われるのか
このように、刑事告訴の受理は捜査機関に対して捜査開始の義務を発生させる手続となりますので、日々多数の事件の捜査を行っており、マンパワーに限界のある捜査機関からすれば受理に消極的になりやすいところがあります。
その他にも受理したとしても最終的に不起訴が見込まれるような証拠の乏しい案件であれば、検察から警察に対して「このような案件を送致してこないように。」と注意を行うこともありますので、受理に尻込みしてしまうのでしょう。
そうすると、捜査機関側の事情ですが、不起訴になる案件やそもそも証拠がほとんどない事件まで受理していられないのです。
こうした背景もあり、一般的には、刑事告訴が受理されるまで難しい、ハードルが高いと言われています。
警察には刑事告訴を受理しなければならない義務がある
しかし、このように捜査機関の都合で刑事告訴が受理されないというのは犯人の処罰を強く求める犯罪被害者からすればあまりにも酷でしょう。
これまでのコラムでも度々ご紹介している通り、警察には刑事告訴を受理しなければならない義務があります(犯罪捜査機関63条)。ですので、たとえ証拠がない事件でも(ただし、そのような場合でも時系列でまとめたものや目撃者などの陳述書などは証拠として提出した方が良いでしょう。)、本来であれば受理をしないという選択肢はないはずなのです。
受理される確率は?
以上ご紹介した内容からもお分かりかと思いますが、刑事告訴にあたって、告訴状を提出し、それがその日に受理される確率は、0%でもなければ100%でもなく、ケースバイケースです。
もう少し具体的に言いますと、証拠がどれだけ集まっているか、告訴状に記載されている犯罪(被害)事実は刑法に規定された構成要件に基づいて明確に記載されているか、証拠との兼ね合いで犯罪がなされたときからどれだけ経過しているのか、民事的解決が図られているか、などなど個別具体的に判断します。
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被害者本人では難しいと感じたら弁護士のサポートを受けるべき
理論上は、被害者本人が刑事告訴をした場合、捜査機関には受理する義務がありますので、犯人に刑事責任を負わせられる可能性はもちろんあります。
しかし、実務上は、受理までのハードルが高く、なかなか受理してくれないのが現実です。弁護士が代理人についていても証拠が足りないなどの対応をしてくることもあります。
弁護士に依頼せずに、独力で刑事告訴を受理させるには弁護士が行う以上にハードルは高いものになります。
このようなときは、弁護士のサポートを受けるべきでしょう。
告訴状を受理してくれなかった場合でも、詳しく事情を聞いた上で、受理されやすい告訴状の作成や証拠の選択、実際に告訴状を提出する際は捜査機関に強く働きかけ、速やかな告訴状の受理を実現します。
ただし、法的根拠を示しながら半強制的に警察に受理させることは理屈上は可能ですが、告訴受理後に捜査を行ってくれるのも警察ですので、ある程度警察との間で時間を掛けて協議を行い、告訴事実を立件できそうなものに絞ったり、警察との間で信頼・協力関係を構築してから正式に受理してもらった方が、告訴したい依頼者の利益にも適います。
そのため、捜査機関が難色を示している場合には、当事務所では初日から一発で無理矢理受理させるようなことは敢えて行っておりません。
当事務所では、これまで多くの刑事告訴に関するご相談とご依頼を受けてきました。ご依頼を受けた刑事告訴については、本稿執筆段階においては、全件正式受理に至っております。
刑事告訴でお悩み、お困りの方はお気軽に当事務所までご相談ください。
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