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刑事告訴されたらどうなる?

刑事事件を起こした加害者にとって、被害者が被害届又は刑事告訴をしたかどうか、気が気でないこともあるでしょう。

刑事告訴は、警察に対し、被害事実を申告するのみならず、犯人を処罰してほしいという意思表示も含まれる手続になり、刑事告訴が受理されれば、警察に捜査開始が義務付けられることになります。

 

刑事告訴されたらどうなるのか、手続を知っておくことで何をするべきなのかわかることもあります。今回は、犯罪加害者において、そもそも刑事告訴又は被害届を提出されたか知る術はないのかを含め刑事告訴されたらどうなるのか、についてご紹介します。

 

加害者自らが刑事告訴されたかを確実に知る術はない

基本的に、加害者自らが、被害者が被害届又は刑事告訴をしたかどうかを知る術はありません。

警察に問い合わせても、捜査上の秘密を理由に、教えてもらえることはまずないでしょう。

被害者に直接連絡したとしても、被害者が警察に被害届を出している場合は警察から加害者とやり取りしないように助言されていることが多いですから連絡自体が返ってこなかったりするのが通常ですし、そうでなくても被害者に直接連絡することは大きなリスクを伴うことになりますので、やめておくべきです。

 

 

刑事告訴されたらどうなるか?

冒頭でもお伝えした通り、刑事告訴が受理されたら、警察によって捜査が始まります。ただし、受理されていきなり被疑者に電話が来ることは稀です。多くのケースでは、防犯カメラ等の証拠集めや関係者からの聞き取り、被疑者の素性や素行調査など客観的証拠の収集を経た上で、本人の呼出しとなります。

この点、被害届も受理されれば捜査が開始されますが、告訴受理の方は捜査開始が義務付けられるのに対し、被害届は義務ではなく、警察が捜査を開始するかどうかを判断します。

したがいまして、刑事告訴の方がより強い効果を持ちます。

 

 

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刑事告訴された後の警察の動き

捜査の開始と逮捕の可能性

刑事告訴が受理されれば、警察は捜査を開始します。

捜査の過程で、加害者に逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがあると判断されれば逮捕されることもあるでしょう。ある日の朝突然、5,6人の私服の警察官が訪ねてきて逮捕されるという「おはよう逮捕」と言われる流れです。

 

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検察への送致

逮捕されると、逮捕されてから48時間以内に身柄が検察へ送致されます。送検の手続は、書類送検もありますが、ここでは身柄送検されたことを前提に説明します。

 

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勾留の決定と留置場での生活

検察へ身柄送致されると、検察官からも取調べを受けます。その結果、検察官が引き続き身柄拘束を続ける必要があると判断すれば、勾留が延長され(最長20日間)、留置場で生活をすることになります。

ここまでの間、弁護士以外の人と面会することはできませんし、スマホなどの持ち物も警察によって預けられます。親族の方や、会社関係者、恋人など一般の方と面会できるのは、早くても逮捕されてから4日目以降になります。

 

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検察官による処分決定

検察官による事件の調査が済むと、検察官は起訴するか、不起訴にするかの処分を決定します。

起訴となれば刑事裁判にかけられ、最終的に裁判官が量刑を決めます。

嫌疑なしや嫌疑不十分、起訴猶予による不起訴となれば事件は終了し、身柄は解放されます。

 

勾留でも早期に身柄を解放できる可能性のある手続がある

基本的に逮捕・勾留されると、身柄は警察署内の留置施設などで拘束されますが、その間でも身柄を解放できる可能性のある手続があります。

例えば、被疑者(逮捕された人)に逃亡のおそれがないことや証拠隠滅のおそれがないこと、つまり引き続き身柄拘束する必要性がないことを裁判所に主張して認めてもらえれば、勾留期間満了前に身柄が解放される可能性があります

ただ、この手続は被疑者一人で行えるものではありませんので、弁護士や場合によってはご家族のサポートが必要になるでしょう。

また最終的に不起訴処分を得るためには、被害者との示談が必須となります。この場合も弁護士でないと被害者の連絡先が知らされることはありません。

さらに状況によっては、自首することも選択肢の一つです。自首することで、被害者から被害届や刑事告訴が出されていないことが判明するケースもあります。

 

 

当事務所ではこれまで、多くの刑事事件の弁護を手掛け、早期の身柄解放や不起訴処分を得てきました。刑事事件はスピードが命です。

被害者から刑事告訴すると言われてお悩みの方、又は突然目の前で家族が逮捕された、警察から逮捕したとの連絡を受けて困っている方は、お気軽にご相談ください。

 

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