刑事事件の流れを図解でわかりやすく説明
いつご自身が犯罪の被害者になるのか、加害者になるのか、わかりません。ご自身でなくても周りの方、ご家族や恋人など、大切な方が刑事事件に巻き込まれてしまう可能性もあるでしょう。
そして、刑事事件がどのように進むのか、どのような過程を経て有罪になるのか、不起訴となるのか、わからない方も多くいらっしゃると思います。
刑事事件の流れの全体像
ご覧の通り、刑事事件(身柄事件)は犯罪の発生⇒逮捕⇒送致⇒勾留⇒釈放、処分(起訴か不起訴)の決定、という流れになります。
まずはこの全体像を押さえておいてください。
犯罪の発生
刑事事件は、警察や検察等の捜査機関が事件の発生を知ったときから捜査が始まります。
ここでいう「警察等が犯罪の発生を知った」きっかけには、いくつかあります。
先ほどの例で言えば、友人から暴行を受けているところを第三者が110番通報して警察がその場に駆け付けるとか、暴行を受けた後、警察に被害届の提出や刑事告訴をするということでも警察が犯罪の発生を知るきっかけとなります。
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逮捕
警察が犯罪の発生を知った後は、捜査を開始します。
捜査の結果、逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがあると警察が判断した場合は、逮捕されますが、必ずしも逮捕されるとは限りません。いわゆる在宅事件というものになります。逮捕されるか否かは捜査機関の判断に委ねられています(正確に言えば、逮捕状を請求して裁判官が逮捕状を発付して初めて逮捕出来るのですが、裁判官は逮捕状請求を認めないことは実務上ほとんどありませんので、捜査機関が逮捕状を請求すれば基本的には逮捕されるイメージです。)。
在宅事件について簡単にご紹介しますと、在宅事件は、逮捕されずに捜査が進められる手続です。通常の日常生活を送ることはできますが、警察から呼び出しがあれば出頭して取調べを受けます。呼び出しに応じないことが続くと逮捕されますので、身柄事件となり、留置場などで生活することになります。
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送致
警察は逮捕してから48時間以内に検察官に事件記録と身柄を送致しなければなりません。
検察への送致後も、検察官から取調べを受けます。
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勾留と釈放
身柄事件の場合、検察への送致後24時間以内に勾留請求されるか決まります。
勾留決定は、検察官による勾留請求に基づいて裁判官が行い、勾留決定されると取調べが引き続き行われます。この勾留は最長で20日間となります。
したがいまして、逮捕から最も長く身柄拘束されるのは23日間ということになります。
最長23日間の身柄拘束を受けることは、たとえその後不起訴処分となったとしても、その後の生活に大きな影響を及ぼしかねません。
そのため、勾留からの早期釈放を目指すためには、勾留後の弁護活動が鍵を握ります。
例えば、検察官による勾留請求がなされた場合、決定をする裁判官に対して、勾留する理由や必要がないこと、勾留しなくても捜査を遂げられることなどを主張し、場合によっては裁判官と直接面談をし、勾留を阻止できる可能性があります。
また勾留決定後であっても、裁判所に働きかけ(準抗告、勾留取消し請求)、早期に釈放される可能性もあります。
さらにこの時点で被害者と示談が成立し、その旨検察官に報告すれば、釈放される可能性もあります。
検察官による処分の決定
勾留期間中も検察官からの取調べが行われますが、捜査の結果、被疑者を起訴するか、不起訴にするかが決まります。
起訴決定前に処分保留による釈放もなくはないのですがレアケースなので、起訴か不起訴かのどちらかと思っておいた方がいいでしょう。
起訴、不起訴どちらにせよ、いくつか種類がありますので、ご紹介しておきます。
起訴には、正式起訴と略式起訴というものがあります。
正式起訴とは、皆さんがイメージする、刑事ドラマで見るような正式な裁判手続に移行する処分です。
略式起訴とは、簡易裁判所の略式命令によって刑罰を求める処分をいい、100万円以下の罰金または科料の場合に限り認められ、主に道交法違反などでとられる手続です。略式起訴の場合には裁判所の法廷での正式な裁判(公判)は行われず、罰金の納付手続だけで済みます。
不起訴処分にも、不起訴の理由に関していくつかあります。
まず嫌疑不十分です。証拠上、犯人でないこと、犯罪の構成要件を満たさないこと等の裏付けが不十分であり、公判維持に耐えられないと検察が判断した場合、嫌疑不十分で不起訴となります。
また、被疑者が犯人でないことが明らか(いわゆる誤認逮捕の場合)や犯罪を証明する証拠がないことが明らかな場合には嫌疑なしの不起訴処分となり、犯罪の嫌疑は確実であって正式裁判を請求することは出来るものの、起訴して刑事裁判を受けさせることが妥当でないと検察官が判断した場合(被疑者の更生を促す場合)になされる起訴猶予もあります。
最後に
刑事事件の流れについて、全体像から各手続毎に、補足やポイントを交えて説明しました。
刑事事件は、民事と違い、逮捕から処分の決定まで、基本的に1か月以内に終わります(ただし刑事裁判自体は簡易簡明な事件であっても、起訴処分決定から1ヶ月半~2ヶ月は掛かることが多いです。)。その間に、加害者が行えることは早期釈放を目指すことと示談を締結することです。
しかし、これらは加害者自身が行えるものではなく、弁護士の介入が必要不可欠となります。弁護士のサポートを早くに受けることができれば、早期に釈放される可能性はより高くなります。
刑事事件でお困り、お悩みの方はお早めに当事務所までご相談ください。
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