COLUMN

コラム

よくある風俗トラブル~ぼったくり・本番行為・盗撮・ストーカー・未成年者について

風俗トラブルとしてご相談が多いのが、ぼったくりなどの料金トラブル、本番行為の強要などサービスに関するトラブル、盗撮トラブル、ストーカーや嫌がらせなどのトラブル、未成年者に関するトラブル、があります。

 

料金トラブル

風俗業界の中で最も多い料金トラブルがぼったくりです。

例えば、

料金前払いのシステムで前払いしたにもかかわらず、キャストが来なかった

プレイ後に、あれはオプションだと主張され、追加料金を次々に請求される

クーポンを適用できるサービスであったが、実際には適用できなかった

 

このようなケースでは、強面の店側の人間が出てきて、結局支払ってしまうことが多くあります。

またぼったくりに似た手法として、たけのこ剥ぎというものがあります。

たけのこ剥ぎとは、風俗において基本料金は安いものの、たけのことを剥ぐようにして、「これをしたいならプラスいくら」と次から次へと料金が追加されていき、最終的に高額な請求をされるような請求方法をいいます

もちろんこのような被害に遭わないことが重要ですが、被害に遭ったとしてもお金を支払わずに警察に連絡しましょう

悪質な店舗では、メニュー表やホームページの隅に小さく「別途料金がかかります。」と記載されており、読んでない方が悪いと言われることもありますが、そもそもこうした小さく表示することは、不当景品類及び不当表示防止法上の有利誤認にあたるとして違反している可能性があります。ただし、一概に景表法その他法律に違反しているかは判断が難しいこともあります。

 

本番行為の強要などサービスに関するトラブル

風俗店は、客や従業員に本番行為を禁止しています。しかし、実際に本番行為を強要し、又は強要されるなどのトラブルが起きています。

店側が本番行為を禁止しているのは、売春防止法があるためです。売春防止法では、売春(対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交すること)を勧誘、周旋、場所の提供などの行為に対し、刑事罰をもって禁止しています。

そのため、本番行為を強要したとしても売春防止法違反で問われることはありません。

しかし、キャストが本番行為を拒否しているにもかかわらず、本番行為を強要して、行為をすることは、刑法上の不同意わいせつ罪(刑法176条)又は不同意性交等罪(刑法177条)に問われる可能性があります。

不同意わいせつ罪で逮捕・起訴されると6月以上10年以下の拘禁刑に処せられ、不同意性交等罪の場合は5年以上の有期拘禁刑に処せられます(執行猶予は懲役3年までの言渡しの場合にしか付せませんので、不同意性交等罪の場合には初犯でも一発で実刑になりうる重い犯罪であることが「5年以上の有期拘禁刑」という法定刑からもお分かりいただけるかと存じます。)

ただ、本番行為の強要になるか、もっと言えば、これらの罪にあたるかどうかについては個別具体的事情の下で判断されることになります。もっとも、未遂であっても処罰される可能性はあります(刑法180条)。

 

 【関連記事】 👇こちらもあわせて読みたい
♦ 不同意性交等罪・不同意わいせつ罪で刑事告訴するときのポイント

♦ 痴漢行為でも不同意性交の罪に問われる?

 

盗撮トラブル

風俗トラブルでよくあげられるのが、本番行為の他、盗撮です。

一般的に、客がプレイ中の行為を盗撮するのは、個人的な趣味か、ネット上にアップして販売することを目的とすることが多く、かつ性的部位などが写っていることがほとんどです。

こうした盗撮は違法行為であり、性的姿態撮影等処罰法の撮影罪にあたり得ます(性的姿態撮影等処罰法2条)。カメラを設置し差し向けただけでも未遂罪として処罰されます

風俗トラブルで盗撮が問題となるのは、ほとんどが風俗嬢を自宅に呼ぶデリヘルのケースです。店舗利用型では、そもそも客がカメラを設置することはできませんし、鞄などにカメラを仕込んでいたとしても、同じく撮影罪に問われることになるでしょう。

さて、このような場合、盗撮が店側やキャストにバレれば免許証などの写真を撮影された上、法外な示談金が要求されることがあります。

対応としては、その場で支払わないこと警察又は弁護士を相談すること、があり得るでしょう。警察や弁護士に相談する際には、脅迫又は恐喝の被害を受けた事実がわかる証拠が必要となり、最たる例が録音や録画ですが、その場の状況的にこれらが難しいのであれば、言われた内容や受けた被害を時系列にまとめたものだけでも客観的にはわかりやすいです。

 

ストーカーなどのトラブル

風俗トラブルは、客に起こるものばかりではありません。キャストも風俗トラブルに巻き込まれることもあります。本番行為の強要被害もそうですし、盗撮被害もそうです。こうした被害については、警察に相談することをお勧めします。当事者同士で示談金を得ようとすれば、まとまらないこともあります。また態様として度が過ぎた方法であれば、実際に被害に遭っていても逆に脅迫や恐喝にあたることもあります。

盗撮被害に対しては、お伝えした通りですが、風俗を利用した客が店で待ち伏せして、自宅までついてこられた等というストーカー嫌がらせのトラブルが起きることがあります。

こうした被害の場合、放置することはお勧めしません。放置しておくと、より行為がエスカレートし、重大な犯罪に巻き込まれる可能性があります。まずできることとしては、一人での行動を控えるようにしたり、まずはすぐに警察に相談することになるでしょう。

 

未成年者に関するトラブル

風俗トラブルで、未成年者に関わるものは多岐にわたります。例えば、デリヘルで来たキャストが実は18歳未満で、それを知らずに性交をした場合に罪に問われるのか、18歳未満の者に接待させるとどのような法律で処罰されるのか、などがあります。

18歳未満の未成年との性的行為が犯罪になるかは、相手の年齢を知っていたか(故意があったか)、あるいは知らなかった(故意がなかった)かがポイントになります。

デリヘルや店舗型風俗などの場合には、18歳以上だと思ってたとの主張が通り不起訴処分となる例も多いです。ただし、マッチングアプリやSNSを通じて知り合った相手方とのパパ活(売買春)などではきちんと相手の公的身分証明書などの提示を要求して年齢を確認した上で、相手が18歳以上との偽造された身分証を提示したなどという特段の事情があった場合などでないと、単に「18歳以上だと思っていた」との主張はなかなか通らない傾向にあります。

 

未成年者の雇用問題

キャバクラ、ホストクラブなど風俗店を営む者は、18歳未満の者に接待(歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと。風営法2条)させることはできません。

風俗における未成年者トラブルはこうした労働問題にも発展することがあり、これに違反した場合は、風営法違反として、最悪の場合、免許取消しの行政処分となる可能性があります。

 

まとめ

よくある風俗トラブルとして、料金、本番行為、盗撮、ストーカー、未成年者をご紹介しました。

風俗店を利用していることを家族に知られたくないとしてその場で示談に応じてしまったり、禁止されている本番行為と盗撮をしてしまえば犯罪行為であったりと風俗を利用するには潜在的なリスクが多くあります。

このような風俗トラブルに巻き込まれた際には、事態が悪化する前に、警察又は弁護士に相談することをお勧めします。

コラム一覧