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一般の方による面会・差入れには制限があります。

Q 家族が警察に逮捕されたと聞きました。すぐにでも、警察署で面会したいのですが、可能なのでしょうか。また面会の際の差入れのルールなどがあれば、教えて下さい。

 

A 逮捕された被疑者と弁護士以外の人が面会できるのは、「勾留が決定されてから」(通常、4日目以降)になりますので、逮捕直後は面会できません

その後に面会が許されたとしても、極めて短時間(15分~20分)で、平日の日中(午前9時~午後5時)しか面会することができません。また面会や差入れするにはいくつかの制限があります。

 

 この記事では、逮捕後の留置場(警察署)での面会または差入れについて解説します。

 

 この記事のポイント
☞ いつから面会や差入れができるのかがわかる
☞ 面会または差入れする際には制限がある
☞ 弁護士であれば、制限なく面会することができる

 

 

一般的な刑事手続の流れ

逮捕されてから検察官による起訴・不起訴処分までの流れは、以下のとおりです。

逮捕 → 警察での取調べ → 逮捕後48時間以内に検察官へ送致 → 送致後24時間以内に検察官による勾留請求 → 勾留決定となると10日間勾留(延長されるとさらに最長10日間) → 検察官による起訴不起訴の判断、となります。

 

勾留決定後から面会が可能

冒頭のAnswerでも述べましたとおり、逮捕された被疑者と弁護士以外の人が面会できるのは、勾留決定されてからになりますので、早くて4日目以降ということになります。

 

 ただし、勾留決定がされるまでの間も、弁護士であれば面会が可能です

 

 

被疑者はどこにいる?ー所在の確認

警察署によって対応が違うこともありますが、基本的に被疑者がどこの警察署にいるかは逮捕時や、逮捕後に警察から連絡がある際に教えてくれることがほとんどです。

 

また例えば、共犯者がいる事案などでは、一般的に共犯者とは違う留置場に収容されることが多く、別々の留置場にいることが多いですので、いずれにしても警察署に問い合わせるのがよいでしょう。

 

 ちなみに、弁護士が面会する場合も、事前に本人の所在確認(在監確認)を行います。

 

 

面会の制限

一般の方が面会を行う場合には、いくつかの制限がありますので、実際に面会に行く際には事前に留置場(警察署など)に問い合わせてから行くのがよいでしょう

特に注意が必要なのが、被疑者と面会できるのは1日1回1組までですので、例えば、面会に行きたい人が会社関係者と恋人であった場合、会社関係者がその日既に被疑者と面会している場合には、恋人の方はその日の面会ができません。

 

・受付時間が午前9時から11時までと午後1時から4時まで

・面会できるのは平日のみ

・被疑者と面会できるのは1日1回1組まで

・1組の最大人数は3人まで

・面会時間は15分~20分程度

・警察官による立会いがある

・面会内容が事件に関するものである場合打ち切られる場合もある

警察署によって運用が多少異なる場合もありますが、基本的には上記のようなルールであることが多いです。

 

弁護士であれば、これら制限なく、被疑者と面会できますので、複数の関係者がいる場合は、弁護士を通して、「明日は恋人の方が面会に行く予定ですので、会社関係者の方が面会に行かれる場合はその翌日以降でお願いします。」などを知らせることができます。

 

 

差入れの制限

留置場で差入れをする場合、本人に直接渡すことはありません。警察署窓口にある所定の用紙に必要事項を記入して警察官に渡します。

差入れにあたっては、かなり細かい制限(以下は一般的な制限です。)がありますので、こちらも必ず事前に警察署や弁護士に差入れができるか確認することをお勧めします。

 

・差入れ時間は平日の午前9時から午後4時まで

・現金や書籍は内容を確認された上で差入れ可能(クロスワードパズルなどは差し入れ不可)。

(差入可能冊数は一度に5冊まで差入可能ですが本人に一度に手渡されるのは3冊まで。)

・フード付、紐付き、ボタン付きの洋服(下着服む)は、これらを取り外せば取り外した上で差入れ可能

(ただし、セーターや長い靴下は差入不可(靴下はくるぶしソックスのみ差入可。紐付きのスウェットは、紐の穴の部分を縫い付けないと差入不可)

・食べ物は差入れ不可

 

これ以外で、被疑者本人が希望する物があれば、面会時に聞いて差入れして良いのか弁護士に相談するか、弁護士から本人に聞いてもらって用意すると、本人は助かると思います。面会ができる間は、可能な限り面会をしてあげた方が被疑者の精神的支えになりますし、弁護士には話さないことを話したりすることがあります。

 

 

接見禁止が付されている場合

接見禁止とは、接見が禁止されている処分のことをいいます。接見禁止の目的は、証拠や隠滅や逃亡の防止ですので、共犯者がいる事件や被疑事実を否認している場合、特殊詐欺や覚せい剤関連の事件ですと、接見禁止がつきやすいです。

 

 接見禁止がついていても、弁護士は接見することができますので、ご安心ください。

 

 

逮捕直後から弁護士に依頼するメリット

接見禁止がついていても、いつでも制限なく面会ができる

繰り返しになりますが、緊急を要する場合などでも接見に行くことが可能です。

 

早めの接見により、的確なアドバイスができる

逮捕されて不安な本人のもとに接見し、今後の捜査における注意点などのアドバイスを行うことができます。また状況について心配なご家族に、本人の状況や今後の捜査見込みについても説明することができますので、それぞれ伝えたいこと、会社への対応も弁護士が窓口となって最大限サポートすることができます。

 

早期釈放を目指せる

早期の接見により、本人が犯行を認めているのか確認し、犯行を認めているのであれば、示談交渉を行います。示談成立となれば、不起訴処分の可能性が高まり、早期釈放を期待することができます。

 

最後に

刑事事件は初動の弁護活動が最も重要です。被疑者本人とそのご家族の方が、まずは状況を把握し、一先ず安心していただけるよう密にコミュニケーションを取っていくことになります。

当事務所では過去に、勾留決定がなされたため、会社との関係から準抗告をしたところ、認められて早期釈放をすることができた実績などがあります。

刑事事件で、ご家族の誰かが逮捕された場合は、お早めに当事務所までご相談ください。

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