フリーランスに顧問弁護士は必要なのか~メリットとデメリット
昨今フリーランスとして働く人が増えてきていますが、毎回契約書を作成していない方も非常に多いため、さまざまなトラブルに巻き込まれることがあるかと存じます。
「報酬が30万円だったのに、15万円に減額された。」
「報酬の支払い日なのに、支払われなくて、生活に困っている。」
「多忙で断ったら、それ以降仕事が回されなくなった。」 など
このようなトラブルは、フリーランスの場合、基本的に自分で解決していかなければいけません。ただ、トラブル対応ばかりだと業務に支障がきたすおそれがあります。
そのようなときは、顧問弁護士をつけることを検討してみてください。 この記事では、フリーランスの方が顧問弁護士をつけるメリットとデメリットについて紹介します。 |
メリット
フリーランスが顧問弁護士を依頼するメリットは、概ね以下の通りです。
気軽に相談できる
一般的に、弁護士に相談する場合は、事前に相談のアポイントを取って、予約日に来所いただくことがほとんどです。顧問弁護士にもよりますが、電話等でちょっとしたことでも気軽に相談できることもあります。
トラブル予防のためのアドバイスを受けることができる
法律は日々改正されています。法律を知らなかったでは自分が被害者にも加害者にもなり得ます。そのようなときは、顧問弁護士に相談して、トラブル予防に向けてアドバイスを受けることができます。
トラブルが発生した場合、対応を一任でき、早期解決を図ることができる
フリーランスの場合、トラブルが発生するとそちらに対応が掛かりっきりになってしまいます。そのようなとき、顧問弁護士がいれば、対応を一任でき、適宜報告を受けることができますので、業務に支障をきたすおそれはありません。
債権回収を迅速に行える
フリーランスの場合、契約書に基づく報酬を支払ってもらえないケースはよくあります。債権回収は、場合によっては裁判手続まで発展することもあり、自分一人ではなかなか対応できないと思います。顧問弁護士による債権回収を行えば、迅速かつ適切な方法で手続を進めてくれますので安心です。
契約書のリーガルチェックを受けられる
フリーランスが仕事を受ける場合、多くの場合、業務委託契約書を交わすことになります。業務委託契約書には、さまざまな重要な規定があります。事前に確認してもらったうえで、必要であればアドバイスを受けたり、場合によってはこちらから契約書を作成するなどして契約交渉を有利に進められることもあります。
デメリット
毎月の費用がかかる
→確定申告で経費となるため、全額自己負担にはなりません。
月額の顧問料以外に費用が発生する可能性がある
例えば、訴訟をする、債権回収のため差押手続をするというように、顧問料では対応できない対応が必要となる場合があります。そのようなときは、別途費用が発生します。
また、顧問契約においては月額費用に応じて相談時間の上限が定められていることがほとんどですので、上限を超えた場合にはタイムチャージで料金が発生します。
ただ、優先的に相談をうけてもえたり、また弁護士の考え方にもよりますが、着手金などを割り引いてくれることもあります。
法律事務所によっては顧問弁護士のプランが設定されていることがある
デメリットにもありますように、顧問弁護士を依頼した場合、毎月の費用が発生します。また顧問料とは別に費用が発生する場合もあり得ます。
現在は、フリーランス向けのプランを設定している法律事務所もありますので、いろいろ比較検討しながら、顧問を依頼すると良いでしょう。
その他、費用面だけでなく、土日祝日対応可であったり、人柄や相談のしやすさも検討材料となり得ます。 |
安定した業務に従事するために~フリーランス新法
昨今、働き方の多様化に鑑み、個人が事業者として安定的に業務に従事できる環境を整備するため、フリーランスと企業間の取引の適正化とフリーランスの就業環境の整備を図ることを目的としたフリーランス新法が令和5年5月12日に公布され、令和6年秋ごろまでの施行を予定しています。
具体的な内容は、フリーランス等特定受託事業者に業務委託をする事業者に対して、書面等による取引条件の明示や報酬支払期日の設定、ハラスメント対策への体制整備、中途解約等の事前予告などが義務付けられています。
まとめ
働き方の多様化により、さまざまな就労形態を選ぶことができるようになりました。フリーランスの方は法律トラブルに巻き込まれるリスクが非常に大きいため、顧問弁護士に普段からサポートしてもらうことが重要です。
自分にぴったりな顧問弁護士を見つけて、より安心充実した事業を行っていただければと思います。