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口コミが名誉毀損になるケース~投稿に対して法的責任を問う方法について解説

SNSなどの普及により、多くの人がインターネット上で個人の感想・意見を述べることが可能となりました。口コミもその一つです。Google口コミ、転職会議、アマゾンや楽天など販売サイトのレビューなど、様々な口コミがあります。

口コミを投稿することで、どの飲食店に行くか、どこのホテルに泊まるかなどを決める際に参考にされます。

しかし、口コミの中には、誹謗中傷としか言いようがない内容もあったりと、来店や購入の決断を左右するものもあります。

こうしたネガティブな口コミなどに対しては、内容にもよりますが、削除を依頼できるほか、投稿者に名誉毀損を理由に損害賠償請求刑事告訴で処罰を求めることもできます。

 

この記事では、名誉毀損になり得るGoogle上の口コミを例に、削除依頼の方法、民事と刑事で法的責任を問うまでの流れについて、ご紹介します。

 

名誉毀損となり得る口コミ

名誉毀損罪とは、公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した場合に成立する犯罪です(刑法230条)。

名誉毀損が成立するためには、公然性があること事実を摘示していること名誉を毀損していること、が必要です。

そして、名誉毀損罪に問われた場合、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処せられます。

 

名誉毀損となり得る口コミの例

以下は、あくまで一例です。実際に名誉毀損にあたるかどうかは、専門的な知識を基に判断されますので、一度弁護士に相談した方がよいでしょう。

「食事にゴキブリが混入していた。」

「体調が悪く診てもらいましたが、誤診された。ヤブ医者です。」

「宿泊先でお金を盗まれた。犯人はホテルの従業員に違いない。」

「商品を購入したが不良品を送り付けてくる詐欺業者です。」 など

 

星1つのだけで書き込みがない口コミ・レビューは、事実を摘示していないので、名誉毀損にはあたりません。また虚偽の情報により他人の業務を妨害した場合、業務妨害罪(刑法233条)に問える可能性もあります。

 

名誉毀損になり得る口コミを書かれたときの対処方法

削除依頼と仮処分申立て

口コミは、不特定多数の人が閲覧できる環境下にあるため、悪影響になりかねません。まずは口コミがGoogle上にあるのであれば、Googleに対して削除依頼をした方がよいでしょう。

削除依頼の方法は、対象の口コミの右上にあるメニューボタンからレビュー報告を選択し、申告理由を選択します。

実際に削除されたかどうかは、結果を問わず、Googleから連絡はきません。

そのため、定期的にチェックする必要があります。

削除依頼しても削除されない場合は、裁判所に削除の仮処分を申し立てることを検討しましょう。申立てが認められると、裁判所がGoogleに対し削除を命令します。

裁判所に名誉毀損であると認めてもらうためには、法的根拠を示しながら、具体的かつ論理的に主張を展開していく必要があります。

 

仮処分の申立てを考えている場合は、弁護士に相談することをお勧めします。

 

発信者情報開示請求(投稿者の特定)

一般的には、投稿者は、ハンドルネームや匿名で投稿していることが多いです。

削除されても、繰り返し投稿されるような場合は、発信者情報開示請求によって、投稿者を特定します。

投稿者を特定するための手続として、発信者情報開示請求があります。

 

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♦ 発信者情報開示請求の要件と流れ

♦ ネット上で誹謗中傷を受けた際の発信者情報開示命令が1つの裁判手続でも行えるようになりました。

 

 

損害賠償請求訴訟を提起する

投稿者が特定できたが、投稿者に反省の色が見えなかったり、無視している場合には、民事訴訟によって慰謝料の支払いを求めることを検討したほうがよいでしょう。

 

名誉毀損による慰謝料請求は、高度な知識が必要となりますので、弁護士に相談することをお勧めします。

 

 

刑事告訴する

民事とは別の手続として、刑事告訴を行うこともできます。

刑事告訴をして、警察が名誉毀損にあたると判断すれば、刑事責任を負わせることができる可能性があります。

ただし、刑事告訴をしたから、または刑事責任を負わせることができたからといって、民事で慰謝料の請求金額全額を得られるとは限りません。刑事と民事は別の手続だからです。

 

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♦ 名誉毀損で刑事告訴したい

 

 

名誉毀損となる口コミを投稿したときの対処方法

安易な気持ちで名誉毀損になり得るような口コミを投稿した結果、相手から名誉毀損で訴えられた場合(裁判所から訴状が届いた場合)、何も対応せず無視してはいけません。民事訴訟では、何も対応しないままでいると、相手の主張をすべて認めた扱いとなってしまう可能性があります(欠席判決)。そうすると、強制執行までされて、財産の差押えなど行われる可能性があります。

まずは速やかに弁護士に相談しましょう。

弁護士に相談することで、対応についてアドバイスを受けることができます。また依頼すれば、訴訟対応などを一任することもできますので、精神的負担を軽減することができます。

 

最後に

口コミの内容が名誉毀損にあたるかどうか、つまり社会的評価を低下させたかどうか判断するのは難しいです。

裁判例でも、悪印象を与えかねない内容の口コミが投稿されます。悪印象を与えかねない口コミであっても、個人的な感想にすぎないなどと社会的評価の低下を否定されることは少なくありません。

口コミ被害でお困りの方、また口コミを投稿したことで相手から請求がきたという方はまずは一度当事務所までご相談ください。

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