弁護士に自首同行を依頼するメリット
はじめに
相手が警察に被害を訴えたら家族や勤務先に知られるのではないか、それならいっそ自首した方がよいのか迷っている。でも自首したら取り調べで何時間も拘束され、そのまま逮捕されるのではないか不安、とお困りの方は弁護士に同行してもらうことを検討してみてください。弁護士に同行してもらうことで精神的な負担が軽くなるだけでなく、他にもメリットがあります。
今回は弁護士に自首同行を依頼する場合のメリットについて簡単にご紹介したいと思います。自首同行を検討している方は、お早めに弁護士に相談することをお勧めします。 |
自首のメリットとデメリット
まずは自首することのメリットとデメリットについてお伝えします。
自首することで、逮捕されずに在宅のまま刑事手続を受けることができる可能性があります。ただし、必ずしも在宅になるかどうかはケースバイケースですので、自首するかどうかは検討に検討を重ねるべきです。
では、自首することを選択した場合のメリットとデメリットについてご紹介します。
メリット
自ら出頭し、犯行を告白することで、逃亡や証拠隠滅のおそれがないと警察は判断しやすくなるでしょう。そのため、逮捕を避けられる可能性が高くなります。
刑事訴訟法では、「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。」とされているため、自首した場合は、有利な事情として考慮されることがあります。
自首すれば刑罰が減軽される可能性があります。たとえ起訴されても執行猶予となり、早期に社会復帰ができる場合があります。刑法は「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。」としています。ここで注意が必要なのは、あくまで「できる」という文言になっていますので、自首すれば必ず減軽されるとは限らないということです。特殊な例としては、内乱予備、外患誘致予備など一部の犯罪については、刑の必要的免除事由とされています(これらの罪については、必ず刑が免除されます)。
デメリット
重大な罪を犯してしまった場合には、自首をしても有罪判決を受けることは避けられないでしょう。
また、もしかしたら自首しなければ捜査機関が覚知しなかった犯罪について自首を契機として捜査が始まる可能性もあり、薮から蛇ということになるリスクもあります。
自首する際には弁護士に付き添ってもらいましょう。
基本的に、自首する場合、警察署に行きますが、一人で自首した場合、威圧的な取り調べを受けるのではないかなど、不安に感じることが多くあると思います。
そのような時は、弁護士に同行してもらうことを検討してみてください。
弁護士が同行する場合、警察署長宛に自己に有利な内容や逮捕を免れるべき事情を記した上申書を提出し、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを示します。
もし弁護士が同行せずにお一人で自首した場合、警察が家族や勤務先の上司に連絡をして、身元引受人として迎えにきてもらうことになります。しかし、弁護士が同行すれば、弁護士が身元引受人になることができ、ご家族や勤務先に知られる心配はいりません。
自首をすると、警察から取調べを受けます。事前に弁護士に相談すれば取調べに対するアドバイスを受けることができます。なお、取調べ時に弁護士が隣にいることがほぼなく、取調べを受けている間、弁護士は警察署内で待機します。
弁護士が同行し、万が一逮捕されてしまっても、そのまま接見を行うことができますし、警察から被害者の情報を教えてもらい、速やかに示談交渉をすることができます。
なお、弁護士が同行する場合のデメリットを挙げるとすれば、費用が発生することです。弁護士によって費用は変わってきますので、弁護士に同行してもらいたい場合には、複数の弁護士から話を聞いて、選ぶのがよいと思います。
当事務所では、これまで多くの自首に同行し、同行する前に事案の内容や自首しようと思った理由など詳細に聴取するなど準備を重ねており、同行したケース全てで逮捕には至っておりません。
ご自身が罪を犯してしまい、自首しようか迷っている、または自首しようと思っているがいろいろと不安なので、同行をお願いしたい場合はお気軽に当事務所までご相談ください。