家族が逮捕されたら警察から連絡はくる?その時、ご家族ができることとは
いつも通りの日常の中、突然「ご主人を逮捕しました。」と警察から連絡が来ました。
新手の詐欺ではないかと疑ったりパニックになってしまうことは仕方がないことです。ただ、大事なのは、残された家族として何ができるのか、を考えることです。
この記事では、そもそも警察から連絡がくるのか、連絡がきた時、残された家族は何ができるのか、ご紹介します。
家族が逮捕されたら連絡がくるのは警察から?弁護士から?
以下で詳細を述べますが、結論としては警察から連絡が来ることもありますし、弁護士から連絡が来ることもあります。他方、本人が希望しない場合にはいずれからも連絡が来ないこともあります。
警察からの連絡
家族が外出先など自宅以外で逮捕された場合、逮捕された人(手続上、被疑者と言います。)は逮捕された後、スマホなどの私物は警察署内で保管されますので、罪証隠滅のおそれから、携帯電話の使用は許されず(電源が切られた状態で保管されます。)外部との連絡は認められません。ただし、被疑者が希望すれば、基本的には警察から家族に連絡してくれるのが現在の実務上の運用です。
もっとも、事件捜査が最優先されますので、被疑者が希望すれば必ず家族に連絡してくれるわけではありません。家族との共犯関係が疑わる事件であったり、あるいは警察が連絡すると家族が覚醒剤を捨てるなど罪証隠滅をしてしまっては捜査に支障をきたす可能性など総合的に考慮して、警察の裁量で連絡するかどうかが決められます。
上記のような疑いがない事件の場合には、被疑者に同居している配偶者や身内がいる場合は、基本的には被疑者が希望した家族に対して警察が連絡をし、状況や被疑者の居場所(警察署名)を伝えることが一般的です。また、被疑者が未成年者(成人の学生も含む)であった場合は、被疑者の同意がなくとも、保護者に連絡がされることが通常です。
あるいは、逮捕されたものの微罪であり家族等の身元引受人に迎えに来てもらって終わりになる場合にも、家族に連絡が来ます。
勾留決定時に弁護士がついておらず、その段階で被疑者が連絡を希望した場合には裁判所から家族に対して連絡がいくこともあります。
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弁護士からの連絡
逮捕されて身柄が拘束されている被疑者であっても、弁護士(当番弁護士や国選弁護士と呼ばれる弁護士です。)を呼んで、家族への連絡を依頼することがあり、その弁護士から家族に連絡がいくことがあります。
呼ばれた弁護士は、逮捕された事情なども聴取しますので、家族にもなぜ逮捕されたかを伝えることになります。
連絡が全くこないこともある
逮捕された後は、事件の捜査が最優先されますので、家族への連絡は後回しにされることがありますし、家族との共犯関係が疑われる等場合によっては連絡されないこともあります。
本人が家族への連絡を望んでおらず、警察に対しても弁護士に対しても「家族には連絡しないでくれ」と伝えている場合には、成人であれば連絡は基本的にはどこからも来ません。
家族にバレずに処理できるかというと、厳しい
逮捕された後のご家族の動きとして、非常によくあるのは、本人と急に連絡が取れなくなり、携帯電話に電話をしても電源がずっと切られ、LINEも既読にならず、一人暮らしの場合には自宅を訪問しても当然不在という状態が続くことから、「交通事故などに遭ったか何か事件に巻き込まれたのでは?」と心配される方が非常に多いです。
その結果、本来であれば職場に逮捕の事実を知られずに済んだのに、被疑者が家族への連絡を希望しなかったばかりに心配した家族が職場に電話して行方不明である事実を伝えてしまったりすることも多く、後処理に困ることも実務上よく起こります。
この場合の最終的な末路としては、ご家族が職場に連絡したり自宅を訪問したりしても本人不在で行方不明のため、警察に捜索願を出し、そこで初めて実は逮捕されていたという事実を知ることになります。
したがって、逮捕されそうだという段階で、事前に弁護士に依頼しておき、万一逮捕された場合には警察から弁護士に連絡してもらって早期の身柄解放に向けた弁護活動を行うこともありますが、本当は自首して逮捕自体を回避する方向で動くべきですが、そのような手配なく逮捕された場合には、潔く家族には連絡してもらった方が良いでしょう。
連絡を受けた家族ができることは?
面会はできる?
連絡を受けたご家族としてはすぐにでも被疑者と面会したいお気持ちになるでしょう。
しかし、被疑者と弁護士以外の人が面会できるのは早くても逮捕されてから4日目以降になります。
つまり、被疑者が逮捕されてから3日間はご家族であっても面会することはできません(弁護士であればその間も面会することができます。)。
また、重大な事件や共犯がいる事件、否認事件等の場合には、逮捕されて3日目以降に「接見禁止」という処分を付されることがあり、この場合には逮捕3日目以降もご家族であっても被疑者に面会することは出来ません。
まずは事実関係を確認する
面会したいお気持ちに駆られるのはわかります。被疑者もご家族に心配をかけている反面、直接伝えたいことがある場合も多いです。
しかし、逮捕されて3日間はどうやっても面会することはできませんので、警察から連絡があったら落ち着いて何があったのか確認しましょう。
その際に、確認する事項としては、いつどこで逮捕されたのか、なぜ逮捕されたのか、今どこにいるのか、被害者はいるのか(被害者の情報は知らされません。)、になります。
ご家族に対しても、被疑者の日頃の素行や生活についての調書作成のため、警察署に呼び出されることもあります。
すぐに弁護士に依頼する
事件の概要を確認し、ご家族の中で整理できたら、すぐに弁護士に依頼されることをお勧めします。
刑事事件は、民事事件や離婚、相続といった家事事件とは違い、スピードが命です。何もしなければ、被疑者は知らぬうちに勾留され、起訴されて刑事裁判にかけられます。
逮捕歴が何回かある被疑者であれば別ですが、初犯で逮捕も初めての場合、警察の取調べに対する対応方針が分からず、黙秘権や供述拒否権などを公使すると警察への印象が悪いのではと誤解している方も多く、警察も「早く出たいなら全部認めて正直に話せ。」などと迫ってきますので、弁護士以外に味方のいない状況に置かれている被疑者にとっては、弁護士との初回接見は極めて重要になります。
また逮捕された場合、不起訴となっても逮捕から勾留までで最大23日間も身柄拘束が続きますので、家族や職場に対する影響も大きく、早期釈放と早期解決に向けた早めの弁護活動が重要となります。
弁護士に依頼することで、事件内容によっては証拠隠滅や逃亡のおそれがないことを主張して早期の身柄解放を求め、被害者がいれば被害者と示談交渉をし、不起訴処分獲得のための弁護活動をすることができます。その他にも早ければ早いほどできる弁護活動は多いです。
また弁護士がいれば、都合がつく限りただちに面会に行きますので、弁護士を通じて、被疑者の様子を知ることができますし、被疑者に差し入れをすることもできます。
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必要であれば被疑者の職場や学校に連絡する
通常は、職務中や学校内での事件でない限り、警察から会社や学校に連絡がいくことはほぼありません。そのため、会社に対しては無断欠勤が続くことになります。そして、被疑者は勾留がつかなければ3日間以内に釈放される可能性はありますが、勾留がつけば、逮捕されてから最長23日間は身柄が拘束されます。その後起訴されれば、保釈をとらない限り、判決まで最低1ヶ月半~2ヶ月ほどは追加で身体拘束が続きます。
無断欠勤が続けば、懲戒処分もあり得るので、解雇や退学といったリスクや不自然な長期間の無断欠勤により逮捕の事実が明るみに出ることを避けるためにも、事前にご家族から会社や学校に連絡してくことが必要になります。
まとめ
いきなり大切な家族が逮捕されて、警察から何も情報を得られない状況が続けば、捜査がどんどん進み、あっという間に起訴されてしまうケースが少なくありません。
起訴されて前科がつくと日常生活に大きな影響を与えかねませんし、職場に発覚すれば懲戒解雇となる可能性もあります。特に国家資格を用いた職業の場合、有罪判決を受けることが資格停止あるいは資格取消の対象となっている場合がほとんどです。
したがって、刑事事件で逮捕された場合には、早期釈放や不起訴処分を目指していくことが何より重要になります。
警察から自分の家族が逮捕されたと連絡を受けた場合には、四面楚歌で味方のいない状況で留置されていますから、弁護士に依頼することが被疑者に対して何よりの手助けとなります。
当事務所では、家族の誰かが逮捕された際に、ご家族の方から依頼を受けて、早期の身柄解放と不起訴処分を数多く得てきました。
大切な家族が逮捕されてお困りの方は、当事務所までご相談ください。
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