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遺言書の有無が不明な場合の、遺言書の探し方

Q 先日、父が亡くなりました。父は生前、公証役場で公正証書遺言を作成したと言っていましたが、手掛かりとなるような資料が乏しく、いつ、どこの公証役場で作成したのかわかりません。手あたり次第、父が住んでいた地域の公証役場に出向いて問い合わせる必要があるのでしょうか。

また検索した結果、公正証書遺言があると判明した場合、謄本を請求したいのですが、手続はどのようになりますか。

 

A 平成元年(1989年)以降に作成された公正証書遺言であれば、全国どこでも、作成年月日、証書番号を検索することができます

また、検索をする場合は、全国どこの公証役場でも可能ですので、直接出向いて問い合わせる必要はありません。まずは最寄りの公証役場がよいでしょう。

謄本請求の手続については、作成された公証役場に必要書類を揃えて、郵送で行うことも可能です。

 

  この記事のポイント
👉 公正証書遺言の検索手続がわかる
👉 公正証書遺言の謄本請求手続がわかる

 

 

 

 

遺言があるかないかで、その後の相続手続が大きく変わります。そのため、遺言の有無及び内容の確認は必須といえますが、検索や謄本請求するにあたっては、注意点がありますので、以下に詳しく紹介します。

 

公正証書遺言の有無を検索できる人

遺言者が生存中の場合

遺言者のみ

遺言者が死亡した場合

相続人等利害関係人、受遺者、遺言執行者、相続財産管理人など

 

検索する際に必要な書類

遺言者が検索する場合

・本人確認書類

 

相続人等利害関係人の場合

・遺言者の死亡がわかる資料(除籍謄本原本) ※市区町村で取得

・遺言者の相続人であることを明らかにする資料(戸籍謄本原本) ※市区町村で取得

・本人確認書類と認印

本人確認書類として、運転免許証など顔写真付き身分証明書の他、印鑑登録証明書(公布から3か月以内)も利用することができます。その場合、実印が必要です。

・(代理人による検索の場合)委任状と代理人の本人確認書類

 

受遺者、遺言執行者、相続財産管理人の場合

・遺言者の死亡がわかる資料(除籍謄本原本) ※市区町村で取得

・本人確認書類と認印

本人確認書類として、運転免許証など顔写真付き身分証明書の他、印鑑登録証明書(公布から3か月以内)も利用することができます。その場合、実印が必要です。

・受遺者が遺言者の親族であった場合、関係性を示す資料(戸籍謄本原本)※市区町村で取得

・受遺者であることがわかる資料と説明

・遺言執行者であることがわかる資料と説明

・相続財産管理人(清算人)である場合、家庭裁判所の決定書

 

検索する際の注意点

これまで紹介したとおり、遺言者が生存中は遺言者のみしか検索することができません。ただし、公正証書遺言を作成した場合には、遺言者に正本と謄本が交付されますので、生存中に相続人など利害関係人がどうしても遺言書の有無及び内容を知りたい場合は、遺言者が大切な書類を保管していそうな場所を探してみるのが良いかもしれません。

 

謄本請求する際に必要な書類

謄本請求することができる人は、検索できる人と同じです。

必要書類についても、基本的には、検索する場合と同じになりますが、実際に請求する際には、請求先の公証役場に事前に問い合わせて確認することをお勧めします。

 

遺言者の場合

・本人確認書類

 

相続人等利害関係人の場合

・遺言者の死亡がわかる資料(除籍謄本原本) ※市区町村で取得

・遺言者の相続人であることを明らかにする資料(戸籍謄本原本) ※市区町村で取得

・本人確認書類と認印

本人確認書類として、運転免許証など顔写真付き身分証明書の他、印鑑登録証明書(公布から3か月以内)も利用することができます。その場合、実印が必要です。

・(代理人による検索の場合)委任状と代理人の本人確認書類

 

受遺者、遺言執行者、相続財産管理人などの場合

・遺言者の死亡がわかる資料(除籍謄本原本) ※市区町村で取得

・本人確認書類と認印

本人確認書類として、運転免許証など顔写真付き身分証明書の他、印鑑登録証明書(公布から3か月以内)も利用することができます。その場合、実印が必要です。

・受遺者が遺言者の親族であった場合、関係性を示す資料(戸籍謄本原本)※市区町村で取得

・受遺者であることがわかる資料と説明

・遺言執行者であることがわかる資料と説明

・相続財産管理人(清算人)である場合、家庭裁判所の決定書

 

謄本請求する際の注意点

検索するまでであれば、費用はかかりません

しかし、謄本請求する場合には、1頁250円の手数料がかかりますので、注意が必要です。

 

自筆証書遺言も検索が可能?

今までは、公正証書遺言を対象として検索することができていました。

しかし、令和2年7月に、自筆証書遺言書の保管制度が始まったことで、遺言者が亡くなった後、相続人などの利害関係人が、遺言書情報証明書や遺言書保管事実証明書などの交付請求を行い、遺言書保管の有無及び内容を確認することができるようになりました。

 

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最後に

一般的に、遺言書には、相続財産や分配割合について記載されていることがほとんどです。そのため、遺言書の内容を確認することは、相続開始後必須の事項といえます。もちろんその他にも、相続人の調査など行うべきことはありますが、遺言書の有無及び内容を把握しておくことで、その後の手続をより検討しやすくなるでしょう。

また遺言者においても、相続人に対して、遺言書を作成したことや保管場所などについて、ある程度知らせておくことも重要かと思います。

遺言の検索は、無料でかつ最寄りの公証役場で行うことができますので、検索をしたうえで、当事務所にご相談に来られる方も多くいらっしゃいます。そのような場合は、今後の道筋や見通しなどについてアドバイスを行うことができますので、相続でお悩み、お困りの方はお気軽にご相談ください。

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